最終更新日:2023年06月23日 16:45

つめもの

非会員にも公開
夢葡萄CPなしごっちゃり 雑多によろず 小ネタとSSS 校正しないかつ読み返さないので誤字脱字衍字誤用重複表現矛盾その他オンパレード
  
  • 2016年10月10日 22:19
    ペダル 雪成 夢
    この記事は省略されています。続きを読むにはここをクリックしてください。



    「おなかが、いたいよ、ゆき」
    「アンタ、そやって体調悪いときばっかオレんとこ来て、なんなんすか」
    「なにも、ないよ」
     単に、ゆきに会いたいだけだ、なんて素直な言葉がわたしの口から出るはずは、ない。そんなに素直になれるなら、ゆきにこんなに呆れられていない。よくもまあ、こんな女に愛想をつかさずに一緒にいてくれるものだと思う。
     はぁ、と吐かれたため息に、頭のなかを嫌な言葉がついて回った。今度こそ愛想をつかされるのかもしれない。
    「ああもう、わかってますよ。アンタが甘え下手なことくらい。こうやってオレんとこ来てくれるだけマシだわ」
     毛布でくるんで、ぎゅっと抱き締めてくれるゆきに、毛布だけではないあたたかさに、じわりと涙が浮いた。それを誤魔化すように、「いたい」とゆきの肩に顔を寄せれば、はいはいなんて頭をぽんぽんと撫でてくるできた彼氏に、敵わないなと思うのはこういうときだ。
     お腹に腕を回して、自らの手でもあたためてくれるいるのを上から握って、ゆきにすりよればほらお腹が痛いときの対処布陣は完璧だ。
    「ほらもう、泣かないでくださいよ…」
     涙の浮かんだ目尻に唇を寄せて、あんたいつの間にそんなことできるようになったの、なんて。
     ああゆき、だいすきだよ、なんていえないわたしでごめんね。

    この記事を省略状態に戻すには、ここをクリックしてください。

PAGE TOP