山吹りりん

自作乙女ゲーム関連の作品をあげていく予定です。

投稿日:2018年01月07日 15:10    文字数:2,484

【Dear My Sweet Angel?】アミエルが結婚の挨拶に来る話【ユート視点】

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アミエルルート1エンド前提、おまけの「先輩VS弟?」の後日談です。
ユート視点です。

夢小説作品

この作品は下記の登場人物の名前を変換することができます。

登場人物1

主人公の名前です。未入力の場合は「ユーリヤ」になります。
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コメント

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【Dear My Sweet Angel?】アミエルが結婚の挨拶に来る話【ユート視点】
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これは避けて通れないことなのだろうか。

「やだな、ユート。何、その嫌そうな顔?お兄ちゃんは悲しいよー?」
「お兄ちゃんとか言わないでください。…気持ち悪い」
「こら、ユート。そんなこと言ったらだめだよ」

姉ちゃん、俺、……それからアミエル先輩。
飲食店のテーブルを三人で囲んでいる。

「自業自得でしょ?逃げてるから悪いんだよ」
(う……)

アミエル先輩にそう言われて何も言えなくなる。
アミエル先輩がうちに挨拶に来た日、なんやかんやと理由をつけて家にいないようにした。
要するに、先輩の言う通り「逃げて」しまったのだ。
別に先輩とはもう面識もあるし、別にいいだろうと言い聞かせて。
でも今思えばやっぱりけじめというものは必要かもしれない。
冗談でなく、この人は将来自分の義兄、になるのだし。

(……やっぱり想像しただけで嫌すぎる)

俺はめいっぱい嫌そうな顔をしていると思うが、アミエル先輩はそれを見てニコニコしている。
この人は俺の嫌そうな顔を見るのが好きらしい。……性格悪い。

「…まあ、逃げたくなる気持ちも分かるけど、これくらいは我慢しなさい」
「ええ?ちょっと、ユーリヤ、何それ。聞き捨てならないんだけど」
「アミエルがユートをいじめるからでしょう?」
「別にいじめてないじゃん、可愛がってるだけだよ?」

姉ちゃんがこっちの味方についているからなのか、少しアミエル先輩は不機嫌そうだ。
……ざまあみろ。

「あ、ユート、今笑ったよね?何、自分ばっかりユーリヤに守られてて優越感?」
「別に笑ってないっす」
「ああ、ほんと可愛くないよね~。ちょっとくらい懐いてくれたっていいのに」
「…ちょっと二人とも。そろそろ本題に入りたいんですが」

険悪になる俺とアミエル先輩の間に入って、姉ちゃんが呆れた声を出す。
そうだった、わざわざこんな場所に集まったのには理由がある。

「え、ええと、その、ユートはもちろんもう知ってると思うけど、改めて……こ、この人が、その……」

この間家にいなかった俺のために、
姉ちゃんがアミエル先輩を改めて紹介してくれようとしているが、
顔が真っ赤でしどろもどろだ。横から助ければいいのに、アミエル先輩は黙っている。

(ていうかあの顔……どう見たって恥ずかしがってる姉ちゃん見てデレデレしてるし)

確かに、真っ赤になった姉ちゃんは可愛い……かも、しれないけど、
今はむかついて仕方ない。アミエル先輩に。

「……姉貴から改めて言うことないだろ。ここはアミエル先輩が自分で言えばいいんだし」
「え、でも……」
「アミエル先輩、自分で言ってくれますよね?」
「ふふ、うん、もちろんいいよ?」

今たぶん思いっきりアミエル先輩のことを睨みつけているだろう。
にも関わらず、先輩は機嫌が良さそうだ。
だけど、次の瞬間には真面目な表情になって……

「お姉さんと結婚を前提にお付き合いさせてもらっています。まだ詳細は決めていませんが、近いうちに結婚を考えてます。
必ずお姉さんを幸せにすると約束しますのでよろしくお願いします」
「…………」

ふざけたことを抜かそうもんなら、すぐ反論してやろうと意気込んでいたのに。
こういうことばっかり真面目に言うのか。いや、こういうことだからこそ、か。
見たこともないような真面目な表情と、聞いたことのないような真面目な口調と声。
…ずるいだろ、こんな風に言われたら、こっちも同じように返すしかない。

「……こ、こちらこそ、よろしくお願いします」

かっこ悪い。先輩はすらすら言えてたのに、俺はこれだけ言うのが精いっぱい。
アミエル先輩のことは気に入らないけど、別に本気で反対しているわけじゃない。
二人が想い合っているのはよく分かるし、アミエル先輩は宮廷魔導士で、生活の保障もあるし、
……それに根は悪い人じゃない。たぶん。

「…よかった。二人とも、これからは仲良くしてくださいね」

俺と先輩の間で、姉ちゃんが安心したように微笑む。
仲良く……は、あんまりしたくないけど、姉ちゃんを困らせるのは本意じゃない。
善処するか……。

「うん、仲良くするよ?ねえ、ユート、じゃあ親愛の証として握手しよ?」
「え?あ、は……はい」

にこやかに言って差し出されたアミエル先輩の手に、反射的に手を出した。
そして、普通に握手をして手は離れた。

「俺、ずっと先輩に憧れてたんです。先輩がお兄さんになるなんて嬉しいです!」

!?!?!?

いや、今の誰の声だ?俺?まさか、そんな思ってもないこと言うわけないし。

「え、ユート、そうだったの?」

ものすごく驚いた顔の姉ちゃん。……そして、隣でニヤニヤするアミエル先輩。

「せ、先輩!!あんた俺に何して……っ、う、嬉しいです、先輩!今度魔法を教えてくださいね!……って、ちがーう!!」

普通に喋ろうとしても、途中で思ってもない先輩に対してのおべんちゃらが出てきてしまう。
意識を操られているわけではないみたいだけど、それがまた余計に恥ずかしい。

「あれ?意識はあるんだ?おかしいな、やっぱり姉弟だからユートも状態異常耐性ある?」
「ア、アミエル、ユートに何したんですか?魔法……は使ってませんよね?だって詠唱が……」
「そうそう、聞いてよ、ユーリヤ。僕、無詠唱魔法が使えるようになったんだよ?すごくない?」
「ええ!?そ、それはすごいです…!!…って、今はそうじゃなくて!ユートにおかしな魔法かけないでください!」

根は悪い人じゃないだなんて、反対はしていないだなんて。
……自分の馬鹿さを反省する。前にアミエル先輩に言われたようにお人好しなのだろうか。
この人、ほんっっっとに性格悪い。

アミエル先輩に怒鳴りたいが、口を開くとおかしなことを口走ってしまうのでしばらく黙らざるをえなかった。

やっぱりこの人嫌いだ。
でも、最終的に姉ちゃんにむちゃくちゃ怒られて拗ねてたから、ちょっと胸がすっとした。

……はぁ、先が思いやられる。
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